++アバンセライフサポート社長のつぶやき++


2017年6月8日(木)
「介護技能実習制度」について
2017年4月28日(金)
事業計画と年度目標
2017年3月30日(木)
基盤整備の1年にする。
2017年2月27日(月)
新たなビジネスモデルが求められている
2017年1月16日(月)
年頭挨拶
「介護技能実習制度」について
 今回は「介護技能実習制度」についてお話をしたいと思います。11月の入国管理法改正は、多岐にわたって我々の業界を大きく変革してくれることになりそうです。

 入管法の改正後は様々な選択肢が可能となります。優秀な人材を留学生でアルバイト雇用→介護福祉士養成施設で国家資格取得→正規雇用→施設長→経営幹部として定住、永住化する人たちも増えていくでしょう。
 
 アジアのR/D(Record of Discussion: 政府間技術協力プロジェクト合意文書)締結15カ国から来日、適正・相性も含め多様な選択が可能となります。日本人の平均年齢は50歳に近づいている一方、フィリピンの平均年齢は20歳代です。この活力を取り込まない限り日本の少子化が止まることはありません。昨年生まれた子どもは推計98万人、日本の後期高齢者は10年後2000万人となります。支え合い社会を担う介護保険は支え手があっての制度です。いよいよ日本は異次元の運用に一歩踏み出すことになったのです。



【政府の基本的考え】
外国人介護人材の受入れは、介護人材の確保を目的とするのではなく、技能移転という制度趣旨に沿って対応

職種追加にあたっては、以下の3つの要件に対応して職種追加
 1.介護が「外国人が担う単純な仕事」というイメージにならないようにする
 2.外国人を受け入れることで日本人の労働環境の改善が損なわれないようにする
 3.介護のサービスの質を確保するとともに、利用者の不安を招かないようにする




1.「介護」実習で認められる業務内容
以下の必須業務を全業務時間の2分の1以上実施することが必要となります。
必須業務:身体介護(入浴、食事、排せつ、体位変換、移乗・移動等の介助等)

2.受入機関の要件
 a.介護福祉国家試験において、「介護の実務経験」として認められている施設
 b.訪問系サービスではないこと(訪問介護は不可)
 c.経営が一定程度安定している機関(原則として設立後3年を経過している機関)
 
3.その他
 a.介護技能実習生の日本語能力
 入国時に日本語能力試験N4、または政府がそれと類すると認める資格を取得している
必要があります。実習1年以内に「N3」相当が求められます。
 b.介護技能実習の実習期間
  1)優良な実習実施機関と認定されていない場合、実習期間は3年
  2)優良な実習実施機関と認定された場合、実習期間は5年
 c.当社の年間受入れ人数枠
  上記の図をご覧ください。
 d.介護報酬の点数
  介護技能実習生は介護報酬の人員配置基準に含まれる予定です
 e.実習1年目に夜勤はできません

■介護実習制度による介護実習の課題・問題点
 1)日本語能力の不足
  日本語能力試験N4相当の日本語能力で入国できますが、N4レベルでは介護現場で必要な日本語能力に少し足りません。

 2)実習1年後のN3取得が困難
  実習1年後に日本語能力試験でN3相当を取得しないと強制帰国となります。
  現場で働きながらN3を取得することは著しく困難であり、実習生が強制帰国になってしまう可能性があります。

 3)介護実技能力の不足
 介護実習制度においては、入国時に介護技術習得していることしか求められません。しかし、日本語能力が低い実習生が日本において日本人介護教師から介護技術を取得することは著しく困難で、介護現場に混乱を招くことが考えられます。

 4)日報記入が困難
  介護現場では、介護記録の申し送りなどの目的で日報記入が必要ですが、日本語能力の低い介護技能実習生が日本語で日報などの記録を記入することは困難です。現状では、  
  定型文を覚え行間を埋める作業で対応しています。

 5)介護現場の理解不足による異文化対応トラブル発生の可能性
外国人介護技能実習生を準備不足や考え方、生活習慣の理解不足で介護現場が混乱し、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

 6)過剰な期待・理解不足による人的トラブル
  外国人技能実習生に対する過剰な期待は禁物です。実習生ができそうにないことをできると勘違いし、過剰な期待や要求をしますと、日本人側には「なぜできないんだ!」、実習生側にも「なぜできないことをやれというのだ!」と溝が深まり、失踪などのトラブルに発展する可能性があります。


【政府の基本的考え】
 以下は厚生労働省「介護技能実習制度の内容について」を基に加筆
2017年6月8日(木) 




事業計画と年度目標
今期から、アバンセグループは上場に向けた予備審査期間に入ります。
初年度の事業計画、年度目標を皆さんから提出して頂きましたが、組織の方向性や目的について説明していきます。


会社は今後、【図1】のような形で動いていくことになります。
組織は目的をもとに構成・運営され、中でもお金は組織が有機的に機能する最も大きな要件です。だから組織運営の中核に利益が位置するのです。そして組織の中で人が能動的に働くには、以下の要素が求められます。


1. 社会的意義がある 
2. 喜びがあり、そして感謝が伴う
3. 目的や目標が明確
4. そのために創意工夫して挑戦ができる環境が備わっている
5. 仕事を通して、成長が実感できる


「働く」とは【図2】の3段階までのことを言います。
しかし、福祉の仕事では、それでは足りないと考えています。
4段階目「尊厳欲求」−他者や社会からからもっと感謝されたい。あるべき未来を示してくれた会社だと尊敬され、家族からも誇りに思われたい、という欲求です。
ここから、内的な心を満たしたいという高次の欲求に変わり、そして最後が「自己実現欲求」です。自分の能力を引き出し、磨き上げ創造的な人生を過ごしたい。そして社会的課題・使命を、仕事を通じて解決し、人々の役に立ちたいという状態をいいます。

私は数年前から、「欲求段階」を4、5段階に引き上げ、心の満足と経済的課題を同時に解決ができる大きな求心力が株式上場ではないか、と考えるようになりました。
朝礼で唱和する経営理念と行動指針、何となく心底にあらずという人はいませんか。私は普段から自分の思いを伝えるべく話をする意識をしていますが、皆さんに実感として届けることは本当に難しいです。さらに目標管理に対するモチベーションをどのように上げるのか、そしてそれをどう維持するかにも苦慮しています。上場に向けて必要な目標管理制度を導入しても、「社員一人ひとりの成長」を一緒に喜ぶどころか、「どうしてそんなことをするんだ」と言う人が出てしまうのではないか。そんなネガティブな思いを払拭するために、今回「クレド」という考えを皆さんと一緒に学ぶことになりました。
「会社の理念をよく考えたことがない」「行動指針なんて、どの会社も作っている」と考える人がいる一方、理念を大事にし、あるべき未来を求めて精一杯の努力で働いている人もいます。
業績は前期、さらに前々期とも赤字決算。赤字は他部門の黒字を付け替えなければ維持できないのが会社です。
経営者として、今期の決算以降の舵取りを考えると身が縮む思いがします。
私たち経営者には、会社はもちろん、そこで働く人たちにも熱い思いを持っています。
私は、せめて同業者より給与をたくさん支払いたい、社員が喜んで働ける会社にしたい、自分の子どもたちにもこの会社に入れたい、と思ってもらえるような会社にしたいのです。
経営者としての自分の思いと、仕事に対して諦めを感じている社員―この距離感をどう埋めればいいのか、この年になっても未だ解決策を模索しています。
少しでも私の思いが伝わることを願い、最後に京セラフィロソフィーの一部分を抜粋転載します。

【ベクトルを合わせ全員参加で経営する】
人間にはそれぞれ様々な考え方がある。もし社員一人ひとりがバラバラな考え方で行動したらどうなるか。それぞれの人の力の方向がそろわなければ力は分散し、会社全体としての力とはならない。
これは野球やサッカーなどの団体競技を見ればよくわかる。全員が勝利に向かった心を一つにしているチームと、各人が「個人タイトル」という目標にしか向いていないチームでは、力の差は歴然としている。
全員の力が同じ方向に集結したとき、何倍もの力となって驚くような成果を生み出す。1+1が5にも10にもなる。このチームをアメーバと考え、経営の単位として考えたのがアメーバ経営です。
各アメーバは自主独立で経営されており、そこでは誰もが自分の意見を言い、経営を考え、それに参画することができる。一握りの人だけで経営が行われるのではなく、全員が参加するというところにその真髄がある。経営への参加を通じて一人ひとりの自己実現が図られ、全員の力が一つの方向にそろったときに会社としての目標達成へとつながっていく。
京セラでは、すべてことを従業員に開示している。従業員みんなに経営に参画してもらうために、秘密を持たないようにしている。従業員のレベルが、知識にしろ、経営管理にしろ、全てにおいて経営者と同じくらいのレベルに向上していれば労使紛争は起きない。従業員と経営者の間に意識の差があればあるほど労使紛争は起きる。ということを私は何度も経験してきた。(京セラは当初28名で全員経営)
2017年4月28日(金) 




基盤整備の1年にする。
 2か月後の5月13日、私は67歳になります。3月から施行された改正道路交通法は、更新時に「認知症の恐れがある」とみなされた場合には本人に医師の診断が義務付けられ、そこで認知症であると診断されると免許停止もしくは免許取り消しとなります。日常生活で車が必須の人にとっては戦前の治安防止法のような法律です。生活に密接に関係した切実な法改正なのに、ほとんどの人が関心を持っていない現状が不思議なほどで、1週間車に乗らないと禁断症状の出る私にとっては、自由と民主主義の根幹を揺るがす「共謀罪」より重く感じられる法律です。自分自身の老化による身体の衰えと、2020年以降に一般市販されるという自動運転車。なんとか頑張って身体の衰えを先延ばし、滑り込みセーフとなりたいものです。

高齢ドライバーの事故率は、実際にはどうなのでしょうか?平成24年の65歳以上のドライバーの交通事故件数は10万2997件でした。10年前の平成14年の8万3058件と比較すると約1.2倍増えています。事故は増えていますが、65歳以上の免許保持者を調べると、平成24年には1421万人で、平成14年に826万人。高齢人口はなんと1.7倍も増えているという統計が出ています。計算するとこの10年間で高齢者ドライバー1人当たりの事故率は人口比で30%も減少しているのです。年齢層を見てみると、16〜24歳の事故率は1.54%、65歳以上の人は0.72%と、若者の約半数。私は高齢ドライバー予備群の1人として、この「木を見ず山を見ず」改正には断固反対です。事故を減らしたいのであれば、高齢者の免許返納よりも免許取得年齢を22歳にしたほうがよほど効果的である、と私は考えています。

 福島第一原発事故をみても、原子炉が壊れたのは大地震や大津波ではなく、大津波で原子炉冷却機能が喪失し、自家発電機が海岸のすぐそばにあり、発電機能が全停止したことが原因です。発電中の事故では断じてないのに、大手マスコミは今でも再稼働は危険!福島第一原発事故の教訓を無視するのか?と掻き立てます。東電側がどんなに安全を訴えても、「100%完璧な安全対策はない。だから安心できない」と応え、安全を「安心」という説明できない文言にすり替え不安を煽り続けるのです。

 憶測による偏見は他にも様々な分野で起こり、人生の脱落社を作り上げていきます。精神系疾患を患っている方々を取り上げてみます。統合失調症患者は人口の約1%の割合で発症すると言います。アルコール依存症、薬物依存症、ADHD、知的障がい者を加えると人口の5〜6%に達します。法務省 平成28年版犯罪白書によると、障がいを持った人の犯罪は3,950件で、全犯罪件数の1.7%です。人口の5〜6%発症する精神疾患に比べいかにすくないか、お分かりいただけるでしょう。しかし、ここにもマスコミが作り上げた憶測と偏見があります。「殺人」の項目を見ると9.1%、「放火」に至っては約12%が精神障がい者の犯罪であり、一般の人たちに比べ圧倒的に多い事件があるのです。
   
10年前に下関駅放火事件がありました。74歳の放火犯のおじいさんの「刑務所に戻りたかった」という言葉を、私は今でも覚えています。彼には知的障がいがあり、子どもの頃
から父親に虐待されていました。大人になっても社会との関係が保てず、刑務所に入るために10件の放火を起こし、40年以上もそこで過ごしました。人生で一番良かった時代を聞かれ、彼が答えたのは驚くことに、生まれてから社会に出るまでいじめられ続けた父親との生活と、40年以上拘束され不自由だった刑務所での生活だと言うのです。どんなにつらい環境でも、孤独なホームレス生活であっても、凶暴な親との生活や不自由な刑務所のほうが幸せな時代だったと本人は言うのです。人は、人との関係性で生きていく動物なのだと改めて実感した一言でした。

 アバンセライフサポートでは、昨年、トヨタ式生産方式を介護に持ち込めないかと考え、トヨタ自動車の生産管理者にコンサルタントとしてテクニックを身に着けてもらおうとしました。トヨタ式生産方式は生産性を上げる技術だと考え、コンサルタントにも賃金アップを目的に検討を依頼しましたが、最初からボタンの掛け違いがあったのです。
トヨタ式生産方式は安心と信頼がベースになった経営品質の保障システムだったのです。絶対に品質不良品を次の工程に流さない、後工程の人は前工程から流れてくる商品に全幅の信頼を寄せる。まさに「安心と信頼の連鎖」だったのです。我々に必要なのは単なるテクニックではなく、理念や行動指針を素直に受け入れ、自分の考えで自由闊達に対応する「クレド」の思想だと気が付きました。経営側の理念・行動指針を全社的に共有せず、唱和して心ここにあらずでは何も進むものはありません。私も今年1年で働く側の思いを「経営理念」に乗せ、最も大切な信頼関係の醸成に向けた基盤整備の1年を過ごしたいと考えています。
2017年3月30日(木) 




新たなビジネスモデルが求められている
一人暮らしの高齢者が600万人を超え、うち半数の300万人が生活保護水準を下回る年収120万円以下で生活をしています。
高齢者で生活保護を受けている割合は10%程度。ほとんどの人は生活保護を受けず、年金の範囲で切り詰めた生活を送っています。広い自宅を所有し、一人暮らしをしてきた妻(夫)の年金が10数万円あれば、元気なうちは悠々自適、幸せな老後でしょう。しかし突然、癌など大病を患ったり、息子が転がり込んできたり…。思いがけぬ出費がでたらどうなるでしょうか。病気やけがを我慢して市販薬だけで済ませても、いずれは重病化し大きな費用が降りかかり、老後破産となってしまうケースもあります。

高齢者は光熱費、公共料金、医療費、介護保険料、持ち家にかかる固定資産税(借家であれば家賃)をすべて年金から捻出しなければなりません。年金生活者の現状は以下のとおりです。いったいどこに余力があるというのでしょうか。

収入  国民年金+厚生年金=11万
支出  家賃5万円+生活費3万+水道光熱費1.5万+医療費・介護費1.5万=11万円

頼る人がいない、子供に余裕がない等の理由から、身元引受人・保証人がいない一人暮らしの高齢者がお金を持っていない為に友人を避けるようになり、まさに「金の切れ目が縁の切れ目」でしだいに誰からの誘いもなくなって孤立してしまった結果、無縁化となってしまうこともあります。

独居高齢者アンケートで「日常生活で困りごとがあったときに誰に手伝ってもらうか」という質問に対し、子供39.8%、友人知人24.7%、兄弟姉妹19.9%、誰もいない11.7%という回答結果が出ていました。「正月三が日を誰と過ごしたか」の問いには、3日間誰とも会わなかったが33.4%となっていました。
3世代同居が基本設計の国民年金は、年金が「おこづかい」だった時代の話。1980年の3世代同居率は60%だったのが現在は10%を切っており、6万円前後で独立した生計維持は不可能であり、制度と現状が大きく乖離しているのです。

≪生活保護受給者の一例≫
収入  生活保護費=10万円
支出 水道光熱費及び公共料金1.5万+生活費3.5万+医療費介護サービス2万+家賃4万=マイナス1万円

日本国憲法第25条「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」の精神はどこにいったのでしょうか。この問題を福祉ビジネスで解決しようとするところに無理があるのではないでしょうか。単価が固定した介護保険財政に依存するビジネスで介護従事者が生き残っていく為に、まずは価格競争に勝つ必要があり利益を出す為に少しでも人件費を抑えようとします。それにより賃金が低値安定化し労働力不足、利用者の満足度低下につながっています。つまり社会全体でみると個々の施設、サービス事業者の事業マインドが互いの首を絞め合う構図になっています。まさに経済学でいう「共有地の悲劇」といえるでしょう。結果的に有為な人材がこの業界に見切りをつけ、ほかの市場原理で自由な業界に吸い出されています。

年末の厚生労働省談話で「有料老人ホームは平均利益率1.6%、デイサービスは6.8%の利益を出しているが来期は見直す」との話がありました。行政担当者にとって、予算はきっちり消化するもの。利益は剰余金であり、悪としか見えないようです。

今は成長経済→成熟経済→やすらぎ経済に移りつつあります。社会福祉が目指す公益資本主義に移行する大きな時代の転換点かもしれません。ドトール、スターバックスの間をぬって、コメダ珈琲店の「高齢者の居場所の提供ビジネス」が伸びていくのをみても、喫茶店に求められるものが変わってきたことがよく分かります。「地域の困りごとをビジネスの手法でもって地域で考える」これを介護施設で考えると、企業の基盤整備を行う収益のベースは地域の痛みを和らげるソーシャルビジネスで創り上げていく新たなビジネスモデルが求められていくことになりそうです。

新築家屋の90%が既存住宅の取り壊しではなく、新たな土地開発で建てられているそうです。空き家が全戸数の12%もある現状を考えると、なぜ新しい土地に家を建て、既存の古家を放置するのかと疑念が起こります。独居・2人世帯が約50%の時代、老人ホームに入居し空き家が出現するのが当たり前の時代になってきています。家がある為に固定資産税を払わなくてはならない一方で、家がある為に生活保護を受給することが出来ず身動きのとれない方がたくさんいます。私たちはここにフォーカスした介護保険の上乗せビジネスを考えています。詳細は、改めて報告致します。
2017年2月27日(月) 




年頭挨拶
 明けましておめでとうございます。今この原稿は、長野県飯島町の私の別荘(と言っても派遣先企業用に建てた20室のうち1室にサンルームとテラスをつけただけで、私は管理人のようなものです)で書いています。まだ10室以上空いていますので、家を追い出された方は是非ご来所ください。

 行動経済学に「保有効果」という言葉があります。一度権利や物を保有すると持っているものに必要以上に価値を感じ、手放したくないと感じる心理現象です。
 アメリカのドナルド・トランプ氏はそれに上手く乗っかって次期大統領になったと私は考えています。トランプ氏は、オバマケア(皆保険制度)を廃止すると言っていますが、低所得層がやっとつかんだ権利を剥ぎ取り、高所得層の既得権益のみを大切にして弱い人を排除することでどんな社会の未来があるのでしょうか。子どもに教育を、20代〜30代の貧困層に社会福祉、医療や職業訓練を施さないで、20年後私共の老後、そして国体を弱くされた彼らが支えてくれると思っているのでしょうか。企業への連邦法人税率を35%から15%に下げると言いますが、政治の最も大切な役割である所得の再分配を放棄してどうするのでしょうか。ウォール街の住民と軍人を重用するとこうなることは見えているのに。アメリカは、白人の6割以上が共和党を支持し、黒人やヒスパニックの7割以上が民主党を支持する国です。2000年の投票で8割を占めていた白人が今回7割、20年後には5割になる予想です。今回は白人の危機感がトランプ氏の背中を押しましたが、互いに同数になったとき、彼流の論理が通用するわけがありません。「社会の分断元年」とも言える1年になりそうですね。

 日本でも同じ問題が起きています。日本においては人種間の問題はほとんどありませんが、さまざまな乖離が放置できないレベルに育っています。まず、75歳以上人口が1,612万人、14歳以下が1,588万人と昨年の国勢調査で明らかになったように、人口の形が変わったのです。喜寿(77歳)は稀だから大事にされ、尊敬もされたのです。卒寿(90歳)が当たり前の時代、医学の急激な進化で死亡原因トップの悪性腫瘍(がん)がiPS細胞に置き換え可能になり、2位の心疾患等血管性の疾患が克服されたとき、寿命は現在より10歳以上確実に延びると言います。子供の人口の2倍以上の後期高齢者とこの国はどう対峙するのか。ここでも分断が始まっています。
 次に、生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことのない人)は、2010年時点で男性20.1%、女性10.6%で、現在はもう少し上がっています。離婚も含めると、3〜4人に1人は家庭を普通に(この普通のとらえ方にも問題がありますが)築けない・築かないということが当たり前の時代になっているのです。

 結果的に単身世帯(孤族)の増加はとどまるところを知りません(図表1)
所得だけではない全てに勝ち組・負け組と称する対立・分断が今後も続くことになるでしょう。
65歳以上の働き手は急速に増えていますね(図表2)。

団塊世代のリタイアも効いていますが、一番大きな不安は老後の不安ですよね(図表3)。

 世代間で分断された社会も困ったものですが、多くは会社の中でも分断が始まっています。先ほどの「保有効果」です。
 人は全て育った環境や職歴も違い、現在の家族構成も違うのは当然ですよね。100通り、1000通りの考え方があって当然なのに、人間は保有効果で自分の人生観、考え方が正しいと思って進め、摩擦を起こし、ストレスとなり、弱い人は心を病んでいきます。周囲の人も自分たちが考える「普通」を押し付け(普通とは単に多数なだけで、少数だから普通じゃないと言っている)、それ以外を排除していきます。トランプ氏のアメリカを愚かだなんて笑ってはいられません。
今一度、お互い自分たちのまわりを見回してみませんか。
2017年1月16日(月) 




 OR AND
スペースで区切って複数指定可能

[管理] [一覧と社長略歴] [最新]
shiromuku(fs2)DIARY version 3.01

++閉じる++