アバンセライフサポート・ファウンダーのつぶやき

外国人定住者に対しての心構えを考えてみる。

  今月は2日連続で講演会に講師としてお招きいただき、うち1件は島根県社会福祉協議会からのご依頼でした。今後も増加が予想される外国人定住者に対し、どのような心構えが必要なのか、どのようなトラブルが予想され、対応はどのようにするのか?ということでしょうが、自然体で良いのに、余分に力が入りすぎている、まさに真面目でちょっと不器用なのが島根県のみなさんなのですね。
  アバンセコーポレーションの島根県出雲市の事業所には、製造現場で働く日系ブラジル人のみなさんが集まって話す「本音でわいがやみんなで話そう会」があります。そこで出たお話を要約して紹介します。

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  • ・若い時はアメリカで仕事をすることもあったが、今は出雲が一番良い所だと思っている。
  • ・年を取って、私の現在のリズムに合う仕事があれば、もう数年頑張って出雲で仕事を続けたい。
  • ・ブラジルの政治・経済状況がどの様に変わるか分からないので、まだ帰国か永住かを決めていない。

定年に達すると、複数のパターンがあります。
  1. ① 家族がブラジルに残ったから、老後をブラジルで家族と一緒に過ごしたい。
  2. ② 家族が日本へ来て、ほぼ日本人の生活をしているので、永住したい。
  3. ③ 家族が何処にいるかは無関係で、日本で永住したい。

日本式の年金制度の定年またはブラジル制度の定年まで、製造現場が厳しいと感じた従業員に対して、どのような仕事が考えられるのでしょうか。

<高齢化する日系の方々と現場>
  • ・出雲の11時間勤務は体に厳しくなってきた。
  • ・若い時は夜勤は平気だったが、最近身体に無理をしている感じがしてきた。
  • ・出勤日の帰宅後、もう少し自由時間があれば良いなと思うようになった。
  • ・工程のオートメーションで作業が複雑になり、ついていくのが難しくなってきた。
  • ・工場の構造上、階段が多く、昇降時に少し不安を感じるようになった。

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  「みんなで話そう会」でのみなさんの話を総合しても、日本人と何も変わらない現実がお分かりいただけますね。
  「外国人が増えていくと犯罪が増える、怖い」との意見はどこでも出てきますが、次のグラフをご覧ください。
来日外国人犯罪検挙数と外国人入国者数の推移

  2005年に745万人あまりだった来日外国人数(再入国を含む)は、2017年にはおよそ2,743万人、実に約3.7倍に増加しており、その一方で、来日外国人犯罪検挙件数は急減しているのがお分かりいただけますね。特に島根県に住むのは「定住者」という身分の在留資格を持つ日系人のみなさんですが、外国人犯罪の総検挙人員のうち「定住者」は、2005年の2,275人から2017年には1,512人へと約3分の2に激減しているのです(警察庁統計データより)。先入観は怖いですね。「レストランに入って食事をすると、隣に置いたバッグを膝の上に置き直す日本人がいる。あれをされると気が滅入る。食事をする気も無くなり、帰りたくなる。」というような話も日系人の方々から聞きます。多文化理解とは何かを考えさせられますね。
  「ハーグ条約」を考えてみましょう。例えば、国際結婚で米国人男性と日本人女性の婚姻関係が破綻して、日本人女性が子どもを連れて帰国、米国での裁判は、当然子どもを連れ去られた男性が勝ち、引き渡し命令が出ます。日本もハーグ条約に調印している以上、拉致行為とみなされ、判決は米国男性の勝訴となることが多いです。しかし、敗訴となっても、ほとんどの女性は子どもを米国側に引き渡すことはなく、裁判所も強制執行をすることはなく、国民もそれに違和感を持つことはまずありません。韓国のいわゆる「慰安婦問題」と同じ根っ子かもしれませんね。
  もう一つ、私たちの会社が外国人居住アパートを建設したいと行政に相談すると、人権意識の高い(近隣住民とのトラブルを避けたい)自治体では、「建築確認申請を出さないでくれ」と言います。人権意識が中程度とされる自治体では、「周辺の同意書をとってください」と言います。人権意識の低い市町では、「どうぞどうぞ」と他の物件と同じように扱ってくれます。行政の職員の目は、人権より組織維持に向き、本来の人権擁護とは真逆の対応をされることが多いのが現状です。この国が多文化共生に目覚めるのは、まだ2世代位かかりそうですね。

2019年3月29日(金)

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