アバンセライフサポート・ファウンダーのつぶやき

明るい未来を次世代に託す

  みなさん明けましておめでとうございます。この年末年始は仕事もしつつ、空き時間を利用して、超有名なイギリス人のスティーヴン・ホーキング博士著『ホーキング宇宙の始まりと終わり―私たちの未来』を読み、本箱に永らく置きっぱなしで気になっていたフョードル・ドストエフスキーの長編小説『カラマーゾフの兄弟』も読み終え、有意義に過ごすことができました。ホーキング博士は、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患いながらも精力的に研究を続けた理論物理学者で、宇宙の始まりのビッグバンは大きさがゼロで密度が無限大という「特異点」になってしまうことを証明し、星の終末期に出現するとされるブラックホールは、そこに入ったものは何も抜け出せない(だから光がもれないブラックホールという)とされていたのが、熱や光も放射され、その為ブラックホールの蒸発(星が消え去る)もあることを発見した、アインシュタインにも匹敵する大科学者であります。ホーキング博士は、宇宙は永遠に存在するものではなく、ビッグバンも、宇宙が拡大していることも、収縮する可能性も、そして最後にブラックホールとなり、宇宙全体の温度が絶対零度近くまで下がり、宇宙は死を遂げることも述べています。地球は誕生して50億年余りの若い星ですが、白色矮星(はくしょくわいせい)が膨張して最後に大爆発、その塵芥が星雲となり、その一つが地球になったと言われています。彼は、星雲の無秩序状態、際限なき膨張についてこんなことも述べています。

「考えられる一つの答えは、膨張期の始まりに宇宙が滑らかで秩序状態にあることを単に神が選択したからというものです。われわれはその理由を理解しようとすべきではないし、神にその理由をたずねようとすべきでもありません。なぜなら宇宙の始まりは神の業だからです。それどころか宇宙の歴史すべてが神の業だといえるでしょう。
  宇宙は明確な法則にしたがって進化してきたように見えます。それらの法則は神が定めたのかもしれませんし、そうではないかもしれませんが、われわれは発見し理解することはできるようです。だとしたら、宇宙の始まりに同じ法則もしくは似た法則が成り立っていたと考えることには無理があるでしょうか?」

  これを聞いて「まいった」と思ったのは私だけでしょうか。私は小学生の頃、「死んだらどうなるの?」「命がなくなるとはどういうことなの?」と、夜になると不安で寂しくて一人泣いていたことを思い出します。私たち日本人は心の突っ支い棒が無い、もしくは弱いので、ロシアやヨーロッパの哲学者や文学者のように初めから神は存在するものとして一片の疑問も持たない絶対の安心感、強い意志を持った人生観が維持できない人種かもしれませんね。
  イギリス人のホーキング博士が生まれる約半世紀前の西暦1900年にイギリスに留学した夏目漱石は、イギリス文学を学び研究し、最後に日本人にイギリス人のような近代文学は書けないと胸の内を吐露していましたが、生まれた時からキリスト教文化、生活信条、哲学に浸った人たちと比べ、「われわれはヨーロッパ先進国の猿真似をして」「上滑りに滑っていかざるを得ないであろう」と言い残しました。あの天才漱石がですよ。
  さて、ホーキング博士が述べたように、宇宙も人間も「時間の矢」として何かのきっかけで生まれ、年月とともに歳を取り、最後に死を迎える。その先は分からない。分かっているのは昨日の延長に今日があり、今日の延長に明日がある。ホーキング博士の言う「過去から未来にしか進めない。その逆はない。」という言葉の中で最も大切なものは、希望を持って毎日を過ごし、明るい未来を次世代に託すことなのでしょうね。

2020年1月31日(金)

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