アバンセライフサポート・ファウンダーのつぶやき

「安心」そして「自己肯定感」がキーワード

  12 月に入り、例年は慌ただしく時が過ぎていたのに、今年のスケジュール手帳は夜が見事に空白、毎年恒例の年末年始の帰省ラッシュもほとんど見られないことになるでしょう。NHK 総合テレビの番組『所さん?大変ですよ』ではないですが、人の流れが極端に歪になることで、この半年で何が起こり、来年半年で社会がどう動こうとしているのか、大変の火種がどこにあるのか、一緒に少し考えてみませんか。

まず、社会的弱者と称される外国人、女性、子どもそして障がい者、この 4 つのカテゴリーの人たちがダメージを受けていますね。その中でも非正規労働市場、飲食サービス業に従事する割合が高い女性の自殺者が急増しています。総務省「労働力調査」によると、2020 年 3 月から 4 月で女性の雇用者数は約 74 万人減少し、製造・金融・物流系で働く割合が高い男性が約 32 万人減少したのと比較し 2 倍以上にのぼりました。厚生労働省によると、2020 年 10 月の女性の自殺者数は 852 人、昨年 10 月と比較し約 83%増、男性の自殺者数も増加していますが約 22%増、特に女性の 40 代は約 129%増、30 代は約 93%増と大幅に増加しています。なぜ 30 代~40 代の女性が死を選ぶのでしょうね。新型コロナ禍で今後も引きこもり傾向が続くことは間違いなく、失業、残業カット、友人等との外出の自粛、リモートワークやリモート授業などで1日中家に居る家族…それはストレスも溜まりますよね。しかし、男性も女性も同じように引きこもっているのに、女性だけがなぜ追い詰められるのでしょうか。内閣府男女共同参画局によると、2020 年 4 月から 9 月の DV 相談件数は、前年同期比で約 2 割増とのことですが、DV 被害者等の保護施設を行政が建設したという話は聞いたことがありません。「自己責任」で片付けられ、行き場を亡くした人々が追い詰められた結果が現在の日本社会なのかもしれません。先日も DVでブラジル人女性が深夜に幼い子どもを連れ、私が携わる団体運営のシェルターに避難してきました。

  さて、今後はどんな課題が露呈し、社会的問題となっていくのでしょう。2019 年 3 月、内閣府は「生活状況に関する調査(平成 30 年度)」において、中高年層の引きこもりについての調査結果を発表しました。40 歳から 64 歳までの男女を全国から無作為に選んで訪問、回答を回収できた 3,248 人のうち47 人(約 1.45%)が引きこもりに該当し、全人口で推計すると 61 万 3 千人にものぼるとのことです。厚生労働省が「引きこもり」として定義する、「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」の人は、広義に考えると 120 万~150 万人はいるだろうと言う社会学者もいます。特に現在 40~45 歳位の人たちは、学校卒業が IT バブル崩壊で歴史的就職難の時期に当たり、非正規が 40%余り(航空業界も 2021 年度新卒採用の中止を発表していますが、それと同じような状況)、多くの人たちが企業内訓練、職業訓練を受けず年を重ね、今に至っています。私が30 代の頃は、友人と会っていても老後や年金の話題は酒の肴にもなりませんでしたが、今は 20 代でも老後や年金を平気で心配しています。キーワードは「安心」そして「自己肯定感」かもしれません。

  私が福祉は素晴らしい仕事だと思うのは、20 歳でも 70 歳でも体力、経験に応じて働くことが可能な仕事、そして直接人と関わることで感謝の言葉をいただける(自動車部品製造工場ではそうはいきません)、安心と自己肯定感、そして有用感、全てを兼ね備えた職業だからです。私たちは安心そして感謝の言葉が雨あられと降り注ぐ良い職業に巡り合いましたね。

2020年12月28日(月)

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