アバンセライフサポート会長のつぶやき

まず、身近な不幸を支えたい。

  先日読んだ朝日新聞の記事です。

  私たち団塊世代の未来を指し示しており、胸に迫るものがありました。私たち戦後のベビーブーマーは、働けば必ず豊かになり、幸せになると条件付けられて育ちました。郵便貯金の金利は 5.5%、がんばって貯金することで金利が背中を押してくれ、栄養ドリンクのコマーシャルのキャッチフレーズ「24 時間戦えますか」が自然に受け入れられた時代でした。
  私の住む一宮市は「繊維の町」で、私の子どもの頃の昭和30年代は日本中から女工さんが押し寄せ、七夕祭りが行われる本町通りは身動きがとれないほど人々が集まって賑わい、「ガチャマン景気」(「ガチャンと織れば万の金が儲かる」といった含意)とも言われた幸せな時代でした。愛知県の三河地方と尾張地方を比べると、工業出荷額は10倍程度の開きがあり(勘違いしないでください。繊維産業の方が自動車産業の何倍も規模が大きかったのです。)、旧カネボウは売上日本一、ナンバーワンになったこともあるのです。戦後の繊維産業、石炭産業、石油化学、自動車産業、電子産業、そして現在の花形、半導体産業に至るまでざっと見て30年ほどで主役が交代し、次なる主役が花形産業となり、経済を牽引していますね。どんな産業が30年先に社会の主役になるかなんて誰にも分かりません。しかし、千数百万人が生まれたベビーブーマーが社会の主役であり、問題提起層であることは変わりません。私たちの世代で核家族化が始まり、次に少子化によって家族が千切れ、あげくは弧族が蔓延することになった。団塊世代は、親は子どもを育て、教育を受けさせるのは義務だと考えているが、子どもは、親の老後を養わねばならないと考えていない。養育費も教育費も、住宅に至るまで、親から子どもへ一方的に贈られるのが普通の考え方で、子どもは子ども(親から見て孫)を生むのもリスクだと考える世代間相互主義まで否定する究極の個人主義(利己主義)を選択するようになった。この生産性のない暇人ベビーブーマーが棺桶に入るまでのおよそ20年、空き家が増え、高齢者ビジネス真っ盛り、様々な産業の盛衰が始まります20年先は何が良くなりますか。そんなこと私に分かるわけがありません。
  私たちは身元引受人代行を社会福祉法人で始めます。まず、身近な不幸を支えたい。みなさん手伝ってください。

2024年5月7日(火)

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