アバンセライフサポート会長のつぶやき

担い手、支え合い社会の大黒柱として次世代を支え、育てるべき

  先日、孫が「学校で古文の授業があり、全く面白くない。なぜあんなものを覚えないといけないの。」と聞いてきました。私も子どもの頃そうでしたね。全く面白くない授業で身が入らない。だから何も頭に残らない。困ったものです。今更後悔しても遅いですが、あの時学ぶ意味を先生が教えてくれていれば、もう少し考えが変わっていたと思いますね。教員になる人のほとんどは教える学びはしてきても、それ以外の経験をしていません。だから社会の構造、成り立ちは理屈では分かっていても、多くは実感が伴っていません。そのため、鴨長明の『方丈記』の冒頭「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」という超有名な書き出しも、その通り読み解こうとすると私の孫のようにただ眠くなるだけです。しかし、平安末期の五大災厄、そして京都下鴨神社の禰宜の子として生まれ、兄弟で跡目争いをした結果敗れ失脚、隠遁生活に入ることになり、そこで生まれた随筆が方丈記ですね。歴史と連動させると面白い物語になりますが、日本の教育は歴史と国語は全く別物、腑に落ちないまま月日が経ち、古文が全く面白くない授業になっているようです。孫には「古文ほど面白いものはないぞ、どんな現象が出現するとどんな考え方を持ち、どんな人生を送るのか、その人生観がどう伝わって子ども、孫の代ではどうなるのか、全てが検証できるこんな面白い勉強はないぞ。」と言いましたが、どれほど理解できたでしょうか。

  政府は少子化対策を本気でやろうとしています。しかし、1973年に209万人生まれた子どもが1980年には150万人に急減、第3次ベビーブーマー旋風は起きませんでした。この時点で少子化の大きな流れが決まったのです。そして昨年は78万人、1950年生まれの私たち世代の約3分の1、人口増加のために必要な「出生率2.07超え」は夢のまた夢になりつつあります。未来はどうか。最新の国民生活基礎調査によると、「児童のいる世帯」に限った平均所得は814万円と、2012年時の673万円と比べて大幅に上昇しています。「お金持ちしか子どもをもてない」時代になり、今もなお格差は拡大の一途をたどっています。本気で子どもを増やしたいなら、私たち中高年層向けの社会保障を減らし、若者の手取り収入を増やすしかない。福祉先進国と言われるノルウェーで行われた調査で、中高年のサラリーマン2000人を集め、1000人ずつ二つのグループに分けた。一方のグループは定期健診もせず、医療アドバイスもせず、そのままで放置しておいた。もう一方は、医者を複数付け、定期的に健康アドバイス、検査も綿密に行った。2年後に両グループの健康状態をチェックしたところ、驚くなかれ、医師からアドバイスや検査を受けていたグループの方が不健康で病気にかかっている人数が多かったといいます。まさに病は気からの医原病というのは本当にあるのですね。
  そこで、サミュエル・ウルマンの詩「青春」(原題:YOUTH)です。これまでもみなさんに何度か紹介してきた詩ですが、改めて紹介します。私たち中高年こそ担い手、支え合い社会の大黒柱として次世代を支え、育てるべき時代が来ています。

青春

原作 サミュエル・ウルマン 訳詞 岡田義夫


青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、
こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異への愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
  人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
  希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉力と霊感を受ける限り、人の若さは失われない。
これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを 固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞う他はなくなる。

  2023年も残すところあとわずかとなりました。この一年を乗り切ることができたのは職員のみなさんのおかげです。誠にありがとうございました。また来年も一緒に力を合わせてがんばりましょう。

2023年12月28日(木)

▲ページトップへ