明日の日本が心配でなりません。
先日の日本経済新聞に 「『老後身寄りなし』448万人に 2050年 現在の1.5倍」と題した記事(※)が出ていました。65歳以上で配偶者と子など3親等以内の親族がいない「身寄りのない高齢者」が、2050年には高齢者の9人に1人程度を占める見込みとのことです(日本総合研究所の試算より)。
日本国内で65歳以上の認知症の罹患者は2020年度約600万人、2025年には約700万人、高齢者の約5人に1人が認知症になると予想されています。社会保障の仕組みが出来ていないのに、今後20年間ニーズだけが増えていくのです。シーズはどうなるのでしょうね。
先日、とあるスーパー銭湯で70代の男性客が困り顔で浴室内をウロウロしているので、私が「どうかしましたか。」と聞いてみると、「脱衣室のロッカーの鍵がなくなった」と言います。一緒に捜しましたが見つかりません。浴槽内を捜すのは簡単なことではなく、スタッフの方(女性)に声がけしましたが、ロッカーの番号も場所も全く覚えていないと言い、全てをマスターキーで開けて確認することとなりました。法的には問題ありですけどね。私と2~3歳しか違わない方ですが、軽度の認知症があるようで、明日の私を見ている気がして首筋が寒くなるような思いをしましたね。
今回の自民党総裁選挙に9名、立憲民主党代表選挙に4名、合計13名のみなさんが立候補していますが、昨年度の年金や医療費、介護、子育て支援他多くの社会保険給付費を合わせると140兆円、2025年度の国家予算概算要求の118兆円をはるかに超える巨額の費用について議論し、今後も毎年増加が予想される社会保障給付についてのあり方を話す人は誰もいませんね。訴えるのは現役世代や低所得者のみなさんの負担軽減とか聞こえの良い話ばかり。税収増は相続税増税が念頭にあるようですが、今でも高額所得者は年を取ったらフィリピン、マレーシア他相続税の無い国に資産を移動、所得税も税率の低い国に移し、年間の半分以上、190日住めば居住地で払うことができ、そんな人が増えています。立憲民主党に至っては、消費税引き下げまで訴えていますが、消費税は社会保障財源に充当しており、減税後は新たな財源確保が必要となるのに、それに触れることはありません。しょせん政治は公平と平等のはざまを揺れ動くものであり、自民党は公平志向、立憲民主党は平等志向、その違いは予算で考えても2~3%位しかありません。大した問題ではないですが、私の肌感覚では歴代総理で橋本龍太郎氏あたりから富裕層と一般庶民の格差が始まり、最初は人口の1%の富裕層が富のおよそ20%を占めたのが、岸田総理まで来ると1%の富裕層が富のおよそ80%を占めるに至り、分厚かった中間層もぺらぺら、もはや世界から見て日本は分厚い中間層が支える国ではなくなっています。なにせ、非正規雇用比率全体で40%以上、女性のみをとると57%という格差大国なのですから。パチンコ王国日本は、韓国が法律で禁止しても、あれはレジャー産業だと言って禁止することはありません。韓国はパチンコを賭博だとして、反対は多かったが全面禁止、既得権者を政治が全面排除してパチンコ中毒の低所得者の権益を守り抜きました。韓国の政治家もなかなかやりますね。
選挙は間近です。みなさんよく考えて、しかし大きすぎる期待は外れた時に失望も大きいので、ほどほどの思いで投票には行きましょうかね。
※参考記事:2024年9月24日付 日本経済新聞 電子版
「『老後身寄りなし』9人に1人へ 50年試算」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO83632750T20C24A9CT0000/
2024年9月30日(月)