アバンセライフサポート・ファウンダーのつぶやき

次世代により良い環境を、文化を残したい

  つい 2~3 年前までは、アメリカのサミュエル・ウルマンの詩『青春』に心を奮い立たせたものですが、社長を退任した現在は、江戸時代の禅僧、良寛和尚の『死ぬる時節には死ぬがよく候』という言葉が腑に落ちるようになってきました。良寛は漢詩も詠んでいて、歌人吉野秀雄による現代語訳があったのでこの二つを紹介します。

■『青春』 サミュエル・ウルマン 作 ・岡田義夫 訳 より一部抜粋

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう

■良寛 作 ・ 吉野秀雄 訳

生まれてこのかた立身出世のようなことは面倒で
ぼんやりとあるがままの天然自然の真理に任す
頭陀袋(ずだぶくろ)の中に托鉢で得た三升の米
囲炉裏に一たばの燃し木
外に何が要ろうか
迷いだ悟りだと問う必要もなく
名誉や利益も自分の知ったことではない
夜の雨降る静かな庵の中で
二本の足をのんびり伸ばしているだけだ

  人は誰でも寿命があり、この厳然たる事実は誰にも変えられません。私は今年 71 歳、間違っても 30 年後この地球に存在しているとは思えません。

  フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンが 1897 年にタヒチで描き、現在はアメリカのボストン美術館に所蔵されている有名な絵画『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』を思い出します。

ポール・ゴーギャン作『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』

  なぜ無償で見返りを求めず子どもを育てるのか、なぜ子どもに元気に育ち、良い学校、良い会社に入り、それなりに成功してもらいたいのか、そして子どもに少しでも財を残したいのか。孫はなぜそんなに可愛いのか。100 年後には全ての命が入れ替わり、今の命は消えていくのに。

  私たちが生まれて死ぬのは、どうも DNA を伝える為のようですね。ほとんどの動物に老後はありません。生殖期を過ぎると死を迎えます。生態系の王者ともいわれるライオンも少し衰えればリカオンなどに食べられ命を失います。人間のように生殖期を過ぎてから 40~50 年も生きる動物などあり得ないので、時系列で考えられず DNA の伝達を意識しなくなるのですね。3 歳位までの子どもが生前を覚えているなどといいますが、100 年、1000 年先も自分の命が伝わっていくなんて SDGs(持続可能な開発目標)に今よりもっと力が入りそうですね。

  自分の残り少ない持ち時間で何が出来るか、私たちと関わる全ての次世代により良い環境を、文化を残したいなんて生意気なことを考えています。

2021年2月26日(金)

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